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Tex.Box

針を刺すだけで表情が変わる。世界のデザイナーが訪ねる「楽しい」テキスタイル発信基地「Tex.Box」

住所

群馬県桐生市新宿2-10-3

営業時間

営業期間

桐生ファッションウィーク期間

料金

無料

内容

原反ニードルパンチによるオリジナルテキスタイルの作成

HP

連絡先

0277-43-5550

日本を代表する織物産地「桐生」。山々に囲まれ、美しい桐生川の流れを街中であっても見ることができるこの場所には、織物の工程に関わる工房がたくさんある。その中に、日本だけでなく世界中のデザイナーやバイヤーが訪れるテキスタイルの聖地があるのはご存じだろうか。


その工房は、桐生市新宿にある「Tex Box」。存在感のある六連のノコギリ屋根の中には、世界でも珍しいニードルパンチの技術を使って、オリジナリティ溢れるテキスタイルを発信している。





針を刺し、重ね合わせて生まれる新しい風合い

中に入ると、何でできているのか想像もつかない数々のテキスタイルが飾られていて、ファッションショーを見ているような、ワクワクする空間が広がる。


ニードルパンチは、複数の布を重ねて剣山のような針を突き刺すことで、繊維同士を絡ませ、全く新しい生地にしてしまう技術。だからこそ、誰も見たこともないような質感や表情のあるテキスタイルを生み出すことができる。




「針を入れるだけで劇的に変わる生地もあるんですよ。2枚3枚重ねるともっと変わってくる。織りでも編みでもそういうことはできないし、ニードルパンチ独特の表情が出てくるので、こんな面白いことはないですね」と、様々なブランドのアイテムを手がける澤利一さんは教えてくれた。



無限の組み合わせを楽しみ続ける

「私がここまでやってこれたのは、桐生の方々をはじめ、色々な方に応援して、助けて頂いたから」

そう語る澤さんは、独立してから18年、様々なテキスタイルを作り続けてきた。独立してすぐに、テキスタイルを発注してくれたメーカーや、展示会で出会った新人デザイナー、イッセイミヤケのパリコレのフィナーレを「Tex Box」の作品が飾ったこともある。


0.1mm単位で針の深さを調整しながら、次々と新しいものを生み出し続けている澤さんは、今でも「新しい生地を生み出すことが楽しくてしょうがない」と語る。


この日、見せて頂いた生地だけでも、ボーダー柄の綿のカットソーを皺寄せしたものや、エナメルクロスを掛け合わせたもの、プリーツ加工をしてポリエステルのレースを組み合わせたもの、さらには和紙を組み合わせたものまで、様々な種類があった。


「全く意識せずに凄いものができて驚くことも、想像どおりのものができてしてやったりと思うことも、どちらもありますね。面白い生地が手に入ると何かしたくなる。どんなふうに化けてくれるか楽しみですね」






ニードルパンチの魅力に触れるオープンファクトリー

昨年開催された「桐生ファッションウィーク2022」では、工房を開放するオープンファクトリーの取り組みの一環として、ニードルパンチを使ってオリジナルのテキスタイルを作るワークショップを実施した。


「ニードルパンチの面白さを一般の方にも知っていただきたいなと思って。皆さんすごく楽しみながらやってくれます」


ワークショップでは、生地の上にレースや端切れなど思い思いの素材を好きに配置していく。そこに針を通せば、自分だけのオリジナルテキスタイルの完成だ。作ったものは、後日自宅まで郵送してくれる。



「ニードルパンチは本当に楽しくて、ずっと自分でやり続けたい。だから、後継者を育てたくないんです」と笑う澤さん。オープンファクトリーでは、そんな「楽しさ」の一端を感じられる。毎年秋に開かれる桐生ファッションウィークの際に、ぜひ足を運んでみてほしい。

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